「君は遠い」
抱きしめた
と思った
確かな感触も
霧の向こうへ
触れた
と思った
確かな感触も
闇の向こうへ
君は遠い
思うよりも
たんなる言葉で
するりとすり抜けて
たんなる言葉で
またささやく
君は遠い
思うよりも
近いと思っても
君は遠い
どこまで近づいても
きっと
重なり合うことすら
ないのだろう
どの断片も
どれがいちばん近いか
なんて言えない
君は遠い
思うよりも
もっともっと
ずっと遠い
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