「誰も」
誰もが誰も
せいいっぱいの手を広げて
待ち構えては
絡めとる
見えない糸を張り巡らす
ゆるやかに
下降していく
時は過ぎていた
咎めの言葉も
慰めの同情も
耳を塞ぐように雨
その手には落ちない
心に誓った
朝が来ても
空は晴れない
君は気づいているはずだ
それが何にもならないことを
振り向くはずと思い込んで
徒に過ごしていた日々が
いまさらのように消えていくことを
君は気づいているはずだ
それ以上は言わせない
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