は恋のままで
会いたい人には会えぬまま
心のどこかで思いを抱きしめている



精神的に頼れる人が理想
大人でも子供でも
精神的に「大人の人」がいい

基本的に私を分かってくれる人が好き
男でも女でも
基本的に「理解ある人」がいい

私が好きな人は
実はたくさんいて
単なる恋愛感情を越えたところにいるのです

本当はそう思っていても
言わないままのほうがいいかなと思って
言わないこともしばしば

だけどね
ほんとはそう思ってるなんて
気づかれたくない気持ちもあって

詩を書くように伝えられたら
歌うように伝えられたら
それだけで消えてしまいたい

それより先を望んでいながら
それより後を期待しながら
今この思いを抱え続ける

でもやっぱり言えなくて
私の恋は
プラトニックなまま

platonic


見えない糸も
見えない手も
見えない運命も
信じないけれど

今ある現実が
そうだよと
言うならば
頷くしかない

たとえば誰かの言葉で
こんなにも落ち着くなら
生きることもそれほどつらくない

だから
だから
ありがとうって言いたい

たとえ届かなくても
思いは持ちつづけるから
これからずっと

thanks


何のためにこうしているのか
自分でもよくわかっていないのです

あの人のためだったと思うと
他には何もないような気もするのです

あの人がいなくなった今では
存続の意味さえもない

それほど「好きだった」わけではないけれど
それほど「頼っていた」のかもしれないと
気づいてしまった今では

あのときはと思い返すたび
あの人がそこにいるようで

季節が何度巡っても
あの人は帰らない

nowandthen


大好きな人がいた
気持ちに気づくまでに時間がかかって
気がついたときには離れる運命
だけどそれでも最後には
秘密まで作れた

大好きな人がいた
長い間見つめつづけていた
言えるわけもなくただ
会えるときがうれしかった
遠くなっても交流しつづけ
いつのまにか消えてしまった

大好きな人がいた
その人には大事な人がいて
その人の幸せだけ祈っていた
大事な人の知らないところを
知っている自分が好きだった

大好きな人がいた
隠している部分が似ていると思った
妙にしっくりくるところがあった
願うも叶うもなくいたけれど
ひとつひとつが輝いていた

大好きな人がいた
影があって好きだった
誰にも言わない部分を言ってくれた
私だけと思い込んでいた
それでも好きでしかたなかった

大好きな人がいた
救ってくれた人だった
前から気にしていたけれど
叶うとは思わなかった
離れていたけれどわかっていた
離れていたから離れてしまった

大好きな人がいた
今はいないけど
また誰か好きになれたらな

lovingyou


片思いという名の甘い夢
恋愛におけるいちばんしあわせなとき
実るも実らないも関係なく
ただあの人を想うだけでせいいっぱい

未来のことなんて誰にもわからない
だから今ある今を愛おしく思う
今がいちばんだと思う

振り返る間もなく導かれるままに
駆け引きもためらいも必要ない
あの人を想うだけでせいいっぱい
あの人を想うだけで

片思いという名の甘い夢
ずっとずっと続けばいい

onesidedlove


ずいぶん長い間こうしていたような気がする
だけど振り返れば本当は短くて
瞬きするうちに終わってしまったよう
あくびひとつで目が覚めた

ずいぶん長い間こうして歩いたような気がする
だけど時計を見ればたった何度の傾きだけで
つないでいた手も知らないうちにはぐれて
気がついたらたったひとり

君はいつも私を悲しくさせる
意図しないまでも器用に
平静さを装っては
悲しい気分にさせるから

最後の背中を見送った
振り返ることのない背中
握り締めていた手も遠く
別れのキスをした唇もすでに見えない

悲しい思いはもうしたくないから
背中にそっとさよなら
最後の背中にそっとさよなら

lookback


手をつなぎたくてつなぎたくて
でも言えなくて言えなくて
家に帰り着いてから電話口で言ったら
そっけなく返された
すんなりと拒否された

それからわたしの右手には
手をつなぎたい衝動が
トラウマになって生息してる

誰もあなたのせいなんて言ってない
だけどあのときはどうしても
つなぎたくてしかたなかった
言えなかったわたしが悪いけど

あなたは知らない
わたしの胸の内
教えてあげたい
この衝動のすべて

今も時々夢に出てきて
わたしに話しかけるあなた
そんなことをするなら
手くらいつないでくれてもよかったのに

trauma


今もときどき夢に見る
あのときかなわなかったこと
夢の中ならすんなりかなう
あなたにキスをすることも

せめて抱きしめることくらい
できる勇気があればよかったのに

今もときどき夢で会う
思いもよらない場面で出会う
そういうときにかぎってふたりとも
笑って何でも言えるのが可笑しい

現実ではそんなにうまくいかなかったのに
そう思うとなおさらもどかしくて

いいことも悪いことも
夢の中なら不思議と同じ意味
別れのつらさもまた
次に会えることすら予感させるから

現実の裏返しみたいに
何でもうまく行くのが悲しい

それでもまた会いたいと
心のどこかで祈ってる

dream


正面きって聞けないわたし
だから卑怯でも遠まわしに聞く

正面きって言えないわたし
だから臆病にも遠まわしに言う

近況を知らせるたわいない手紙
伝えたいのは最後の一言だけ

唯一の手段失いたくないために
やわらかく誇張して伝える

それでもまだちゃんと言えず
気づいてくれるのを待っているだけ

いつか言えるときがきたら
そのときはごまかさず言おう
思っているだけで前には進まない
進めたくないこの恋

headon


「あの人」と呼ぶ人がいる
それが誰を指すのかはわたししか知らない
たぶん誰にもわからない
ごまかすように照れながら言うから

わたししか知らないあの人
今はどうしているだろう

特定の名前を出すのは憚られる世界で
わたしはあの人を想う
現実にいる人だけど名前は言えない
わたしの中でだけ特定されればいい

わたししか知らないあの人
今はその現実より遠いけど

あの人がいたから
わたしは今も生きている

anohito


わたしは秘密好きだけど
全部が全部秘密じゃよくないね
誰かに言わないと
本当とは思えない
夢みたいなことが
現実としてあったのに
それでも信じられなくて
誰にも言わなかった

もし誰かに言っていたら
何か変わっていたかな

わたしは秘密好きだけど
ふたりの関係は誰かに言うべきだったね
誰にも知られずに
ひそかに終わった
そんなときもあったと
振り返るのは自分だけ
そんなの悲しすぎて
誰にも言えないから

もし誰かに言っていたら
何か変わっていたかな

もし誰かに言っていたら
何か変わっていたかもしれないね

secretlove


真夜中に電話
出るはずもない人に
存在を確認して
黙って切る

これこそ無駄なのに
しても無駄なのに
出るわけもないのに
通じないのに

存在は不安定
圏外のときもあれば
都合によりのときもある
今はどうしているかもわからず
ただ電話という手段が残されただけ

真夜中の電話
気づかれることはなくても

midnightcall


教えてくれたことは今も
忠実に守っているつもり
少しは間違うことがあっても
またあのときに戻る気持ちで
やり直すことができるから

思えばいちばんしあわせだったかも
打算も見返りもない恋
一生懸命さが売りで
あなたはそれを笑って見てくれていた

子供だったからわたしは
大人だったからあなたは

だからわたしは今でも
あなたの言ったことを守っている
かなうことはなかったけれど
ただ一途に見つめていた
秘密の行動だって今は
胸を張って言える
好きだったからって

教えてくれたことは今でも
この胸の中にある
人を愛する気持ちを
教えてくれたあなたに
胸を張って言える
好きだったから

howtolove


俯く横顔にこれからが見えた
嘘をつかないあなたのことだから
どんなときも素直に思うことを言う
これから言うことも容易にわかる

最初から未来なんていらなかった
今があればいいと思っていた
そして今が永遠に続けば

かなうはずのない恋を失った
幾度となくそんな話をしたけれど
似てるねって笑った
でも似てるってことは
完全に重なり合わないことだとも
冷淡なようだけどそれは本当のことだった

陰のあるその横顔が好き
わたしの分まで不安を背負おうとして
陰をつくったその横顔が好きだった

でもそれは最初から無理な話だった
あなたにはあなたの生活があって
そこにあるしあわせを壊すことは
絶対してはいけなかった

わたしにしか言わなかった
一度消して書きなおした文面
それを手渡してくれただけで
わたしはそれだけでうれしかった

あなたをこれ以上苦しめる権利はないから
あなたがこれから言うことに素直に頷こう

shadow


好きだけど嫌いって言ってみたり
嫌いだけど好きなようなふりをしたり
わたしは嘘つき

だけどそれは誰にでもあると思わない?

もし誰もが嘘をつかない世界になったら
誰も素直に思うことを言えるはずなのに

誰が最初に嘘を考え出したんだろう
余計なことしないでって言いたくなる

人の所為にするわけじゃないけどね
もともと嘘は嫌いなんだよ

それでも嘘をつくってことは
よっぽどのことがあるからって
思っててくれないかな

liar


わたしはゆっくりのひとだから
あせらずいそがず恋をしたい
どこへ行かなくても
何をしなくても
ただいっしょに時間を過ごす
そんな恋はだめかしら

わたしはゆっくりのひとだから
流れにはなかなか乗れないけれど
それでもよかったら
それでもよいのなら
このままじっとしていたい
そんな恋はだめかしら

同じ目線でものを見る
同じ速度で歩いていく
完全に同じでなくても
できれば近い人がいい

わたしはゆっくりのひとだから
のんびりとのんびりと
育てていける恋がいい
そんな恋はないかしら
そんな恋を探してる

slowlove


子供には本当の恋愛などできないと
噂ながら聞いて
そんなことないと
心の中で反論してた私

あなたを思う気持ちは
誰にも負けていなかった
たぶんあの人より
強かったと言えた

肩肘張って背伸びして
それでも足りない部分は
笑ってごまかすか
甘えて許してもらうか

意味のない恋愛なんてないと
今でも思うけど
あなたを好きだった
気持ちはままごとみたいに

今になればわかるのに
そのときは

mamagoto


言えるわけがない
言いたくもない
見透かされた上で
さらけだすなんて
知っているくせに
つついてこないで
わかってるくせに
笑ったりしないで

こんな気持ちにさせるのは誰のせい
言いたくても言えないじゃない

hatetotell


つとめて冷静に振る舞うけれど
その行動が意味するところが読めない
無償の愛なんてどこにもないことを知っている
だからその目的とするところを
少しでも早くつかまえないことには
単なる微笑だって罠の一部

どうしてそんなふうにやさしい
言葉の端から裏を読もうとするけれど
うまく隠してあるのか
欠片すら見当たらないから
苛立ってしくじってしまいそう
その罠に落ちることだけは
プライドが許さない

完全に読まれてる
数段上を行く高飛び
さっきここにあった心は
とっくに持ち去られてしまって
今はここにない

罠にかけられた
雲の中の気分

tutomete


君が笑う
一瞬を
待ちわびる

どうして
こんなにも
胸が痛い

君が笑う
空気が変わる
影響を与える

この胸に
恋という
種をまく

育つ心
広がる気持ち

君が笑う
それだけで

smile