「刹那に生きるなら」
 
刹那に生きるなら
何も
振り返ることなく
 
感情は一瞬の戯れにして
触れ合った肌さえ
明日の朝には他人
 
解けかけの運命の糸は
たった今色褪せた
見ないふりをしても
どこかで知っている
 
確かなものなど
どこにもないと
教えてくれた
その背中
 
空を切る言葉に
落とされた深い影
涙はいつか涸れる
そしてまた
違う波に飲まれ
 
これが
狙っていた着地点なら
 
刹那に生きるから
もう
振り返らない



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