「小さなもの」
 
君がくれた小さなものは
今も誰かの胸にある
いつしか大きく育っては
身体のすべてを占拠した
終いには僕を食い潰して
跡形も無く消え去った
 
ように見えた
 
僕が居なくなってからも
種のように残ったそれは
寄生先を探すように
伝い増え勢いを増して
しぶとく在り続けている



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