「歌う旅」
 
どうでもいいと言いながら気にしている事実
どうにでもなれと思いながら消せはしない真実
巡り巡って居るのがここならば
誰かの気まぐれでまた巡り会えるでしょう
今のわたしには追いかける気力がない
これほど手応えがないとなると
途方に暮れてもまだ飽き足らない
つかんで離してその繰り返しで
いつになったら辿り着けるのだろう
諦めたわけではないのだけれど
遠過ぎる道程に目が眩むようえ
ただひとつを求めているだけなのに
そのひとつが手に入らないのだと思うと
あなたの存在さえ疎ましく思えてきて
はっきりしないまま投げ出された現実に
いとも簡単に飲み込まれてしまうのです
こんな逡巡にも気づかないふりを続けて
笑い続けていればしあわせなのか
どこか知らないところで笑っているならば
それで良しとするべきなのか
またそうやって考え込んでしまう姿を
あなたは見ることもないのでしょう



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