「去来感」
 
空白を埋めるように
言葉を紡ぐ
 
届かないのは
最初からわかっている
それでもここまで手応えがないとは
ますます深く行くはめになる
 
何が欲しいか聞かれたら
きっと返答に困る
何となく何かが欲しい
ただそれだけのこと
 
曖昧に漂うことを好んでいる
それは重々承知している
でもほんのすこしでいいから
欠片でもつかまえさせてはくれないか
 
一歩進めば
一歩退く
進むのをやめれば
さらに遠のくだろう
 
その空白を埋めるために
言葉を紡ぐ



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