「拐っていこう」
 
僕自身が覚えていなくても
僕の中のどこかが覚えている
意識的に切り離した一部分の中で
いつか表に出てくるのを待っている
 
ほらまたつながる
 
いつものように流されて
それがもたらす現実には
つながることを欲した
自分の欠片が静かに笑う
 
捨てることはできないんだ
いつか外部の力によって消されない限りは
 
流されることに意味を与える
しあわせな気分だ 今も
 
すべてを意味で埋め尽くしても
それでもまだ次に名前をつけられるのを望む何かが
背中を押す
 
ほらまたつながったよ
曖昧さを許さない君の仕業だね
 
思い出してほしいんだ
それだけなんだ
どんな困難でも
抜け出す覚悟は忘れていないんだ
 
その手を拐っていこう



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