「言葉以外」
 
何でもいいって言っても実はそうではなくて
誰でもいいって言っても本当はそうではなくて
ひとつを選べないのは優柔不断もあるけれど
それ以上に何かを失うのが怖いから
たとえば今言おうとしていることを
どんなに精密に言葉にしたとしても
意図する意味を忠実には反映できない
 
言葉は単体では存在しない
その気持ち
その雰囲気
化学反応のよう
その場で起こる小さな爆発
 
それを受け止めるのにわたしは時間がかかる
流れる時の中でわたしはすぐに流されてしまう
 
言葉以外にも伝える方法があればいいのにね
ただ触れるだけでも違うかもしれない



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