「無いもの強請り」
理由を解くと無に帰すと気づいた時から
すべては終わりに向かうと知っていた
もう一度何か確かに思えるものをと
伸ばした手には砂と消える記憶しかない
それでもまだ止まない気持ちは
いつまでも脈を打ち続けては
ここにいるということだけを
知らせて震えているけれど
最初から無いもの強請りとわかっているのに
無いものだから諦められずにいる
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