「隠れた太陽」
 
ゆるやかに明けゆく東の空
見遣れば重く暗い雲
腕で掻いて靄を切り裂く
一瞬の光 そしてまた曇る
 
その前髪に
その睫毛に
留まる雨粒
振り払い前を見て
上を向く心
触れてはいけない冷たさ
触れてみたい衝動
 
遠くの太陽
近くに感じる
いつもそこにいる
忘れてはいけない
 
今できる精一杯
後悔先に立たず
振り向かせたいなら
まずは触れてみよ
指の温度であたためて
色を変えてしまえ
 
長い想像より
一瞬の行動
 
隠れた太陽
その向こうを探す
次第に明るくなる空
靄も消え光が増えていく
少しずつ近づいていく



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