「この退廃的な気分」
 
秋の夕暮れはむしろ
雨が降りそうな鈍い蒼
急に寒くなるから
自然と落ちる
 
単なる乱雑か
計算済みの芸術か
散らかったままの部屋に
流れるピアノ・ナイトリィ
 
叫んだら
届くかも
しれない
思うより
声が早い
 
あの時すべて失ったことを思い出した
今は何も持っていない
だから何でも物めずらしくて
触れては壊してばかり
 
たぶんこれからも
何かを手にすることはない
望みすら失くしたなら
得ようとする気にもならない
 
思いも定まることがない
浮かんで消えたらもう二度と会わない



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