「君を待つ」
 
空は無情にも雨
傘を持つ手も冷えてくる
見上げても止みそうになく
 
ひとつ知るたびに
ひとつ失う気がした
ひとつ与えられるたびに
もうひとつを欲した
 
わかっていながら
わからないふりをして
わからないのに
わかったようになって
 
すべては自分のためにあるわけなどなく
すべては届かないところに存在するのに
 
答えのない質問を延々と繰り返し
実感のない思考を悶々と続けて
 
君を待つ 雨上がり



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