「薄い浮遊」
 
現実と願望が微かな接点を持つ夢の中なら
何を思っても許されるだろう
 
飛べないわたしたちが
彷徨い浮遊する
 
闇に紛れ
目を閉じたままで
 
ここには何もないから
空想が色付いて背中を押す
見ないようにしていたものが
底から顔を出す
何もないのは
すべてあるのと同じことだと知る
 
短い時間だったけれど
飛べてよかった



戻る