「大丈夫」
 
別々の時間が増えて
見えない部分が多くなって
それぞれに生きること
選んだわたしたち
 
月が出ているのに気がついて
南の空を横切っていくのを見ながら
夜が更けていくのを待った
静かな闇は何も語らない
隙間を埋めるための言葉は
意味を失って地に落ちていく
やがて明るくなる窓の外
眺めていたふたり
 
大丈夫と背中を押した
大丈夫と口にした
だからもう大丈夫



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