「どこかへ」
水平線がにじむ
沖の白波は船を揺らす
溶けきらない空と海
光と風が釣人をあおる
目の前の出来事も上の空
深く刻まれた過去と
繋がるこれからが動いて
今ここにいるような
いないような錯覚を起こす
本当は心などここにはない
どこかへ行ってしまっている
わかっていながら
ここにしかいられないことを
ひとり悔やむ
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