「本当の痛み」
 
誰でも負っているような心の傷が
今頃になってまた口を開き痛み出す
治るのにどれだけ時間がかかっただろう
それでもまた口を開き痛み出してしまった
もう治らないかもしれない
 
誰もが負うような傷なのに
本当の痛みは他人にはわからない
分け合うことも肩代わりすることもできない
傍にいてただ見守るくらいしか
それすら気休めかもしれない
 
誰もが誰もこんな傷を負って
普段はひたすら平静を装っているなら
許せる人にだけその傷を見せるなら
僕は誰に見せて安心すればよいのだろう
君は誰に見せて安心するのだろう
君は僕の痛みを 僕は君の痛みを
本当にわかることができるのだろうか



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