「穴」
 
こころにひとつ開いた穴
何をもってしても埋めることはできない
この形にうまくはまり込むのは
そのもの以外には在り得ない
 
風が通り抜けて
希望が行き過ぎても
残る音は
何も変わりはしない
それでも違って見えるのは
このこころが抱える重さが
意味を失ったから
 
変わらないと思ったこともあった
でも今ここに穴があることが
こんなにも不自然で危ういとは
気づくはずもなかった



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