「天命」
 
記憶は途切れ途切れ 見えないものもあり 不安
今もまだ見えず 明るいほうへ向かっているつもり
どこまで行けばよいのだろう
手に触れる冷たい物体 血の通わない人の心
近づけば傷つく 遠ざかれば寂しさが増す
満ちていく月 欠けていく月 その繰り返し
形を変えて ずっと流れていく
砕けて粉になって 吸い込まれて
気化の末 空に昇っても 涙雨になり地上に降りる
季節が巡る 道標の先
震えながら 天命を待つ



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