「苦悩の内」
 
今でのその胸の中には
狂うことなく時を刻む針があり
傍から見ているだけの私は
息苦しく思う
 
解けは自由になる手にしがみついたまま
その手ももうここにはないのに
わかっているから目を開けない
 
平気な顔をして何もなかったふりをして
生きることを選べば楽になれるけど
そうはしない君は苦悩の内でもがく
 
それを見て助けられないから
いっそう息苦しくて
それなら一緒に沈んでしまおうかと
思わせるような眩暈に襲われる



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