「その日まで」
 
去り行く背中に
さよならと告げた
吸っていた煙草も
灰皿の中で燃え尽きて
熱が冷めていく
 
こんな日がくるとは
夢にも思わずに
しあわせに過ごしていた日々
懐かしさに溺れそうになる
思い出す月日の流れなのかで
記した言葉はこれからも
ずっと胸にしまわれるけれど
 
運命は信じない
だけど偶然なら
いつかまたどこかで
その背中を見つけたら
声をかけてもいいですか
その日まで
忘れないでいてほしい
 
愛していた
場所が消える
人は散り
無に帰る
 
それでもここに残るのは
影も形もない存在
それでもここに
残りつづけるのは
まだ見たことのない笑顔
 
いつかきっとどこかで
その笑顔に巡り合う
その日まで



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