「その胸の激情」
 
胸のすく思いがする
ここには誰もいなくて
眠ったり泣いたりできるけれど
そうしなくても満たされていく
 
感じてもいないことを口にして
顔を歪めたら誰も騙される
見え透いた嘘の裏を知っていれば
痛むことも傷つくこともないのに
何度断り書きをしても
感情移入が激しすぎる勝手な道理で
癒されることだけを望んでいる
 
傍目のほうが気づくこともある
それはいつの時代も有効で
冷静な判断というより客観的視点が求められ
それがないならまやかしに崩れるだけ
 
予感と予知は時に逆転する
理論を軽々と越えていく現実に
ひれ伏すだけかそれを覆すかは
その胸の激情次第
歩むも止まるも休むも動くも
君の胸の激情次第



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