「赤くない糸」
 
斜めに流れる人の波を遮った
行きたい場所があって
今そこへ向かっているところ
 
僕は君を知らない
君は僕を知らない
まだ何も始まってはいない
 
それでもどこかでこの糸は結ばれていて
手繰り寄せるには長すぎる糸であって
ふとした時に隣り合っていることに気づき
その糸の色が同じだとしたら
 
似ている色なら今までいくつも見てきた
でも本当に同じ色ではなかったんだ
 
赤くない糸の先に繋がっている人よ
早く僕に気づいておくれ
僕も君を見つけるから
同じ色の糸を持つ君を



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