「花笑み」
 
幾重もの薄桃色を透かし見上げる空は
雲ひとつない青を滲ませ
混じり合う感情を持て余していた
手渡すこともできない胸の奥のように
 
いつまでも今のままなら
つらい刹那も紛れて消える
もしこれより先を望むなら
伝えてみては如何
 
ゆえにこの爪先に
舞い落ちた花弁を貼り付けて
春を演じてみようと思う
その笑みに報いるために



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