「この胸の痛み」
 
ところどころの白木蓮は
思い出を映す鏡のようで
数え切れない花弁を見上げるたび
脳裏をかすめる記憶がある
 
春が連れてくる
やさしくてせつない感情は
いつになっても慣れない
むしろ年々増していく気がする
 
出会いと別れが交錯する
淡い色に染められた木々が
見守る時の中で
何を探し何を手にすれば
この胸の痛みは消えていくんだろう



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