「笑い話」
 
夢にまで出てくるほど願っていた景色が
今目の前に広がっている現実の中にいるのに
頬を抓っても痛くないような気がして信じられない
確かにこの目で見ているのに
 
待ち焦がれている間に
気持ちが変わってしまったみたい
それだけあればいいと思ってた
でも今は
 
決して無いもの強請りじゃないのに
そう見えたかもしれない
 
ただ駄々捏ねてた
手に入れればいつもそう飽きて
クローゼットの中押し込まれる洋服
玩具箱の奥仕舞われる宝物みたいに
見えないところにおしやって
いつのまにか忘れてしまうんだ
 
いつもいつも欲しいものがたくさんあって
欲しい欲しいと思いつづけて
ようやく手に入れたときには
もう要らなくなってるなんてね
笑い話にもならない



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