「遠い」
 
遠い遠い遠い
何もかも遠いのだ
 
見ているものもそこにあると思えない
手を伸ばしても到底届かない
想像の中のようにあやふやで
感触という実感が浮かばない
 
遠すぎる
何もかも
失ってしまったのだろうか
近いと思っていたその感覚自体が
すでに間違いだったのか
 
突き当たるのは隔たっていることだけで
何もつながりが見えない
 
ただ遠い
記憶さえ曲げてしまうほどの遠さ



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