「助走」
 
長い間閉じていた瞳が再び開かれる
光は眩しさを越えて痛みにも似ている
無理をしてはならないと言われても
はやる気持ちは抑えきれない
 
走り出すときも
いきなり最高速に切り替えられないように
助走する期間があってようやく慣れてくる
 
今はその助走の時
たしかに走りつづけられるように
ゆっくりと走り出す



戻る