「残る雪」
 
日陰にはまだ雪が白く残り
少し解けても夜の温度がまた凍らせる
石みたいに蹴り出す小さな欠片
小学生がどこまでも連れて行く 友達みたいに
 
日向の雪はあっさりと解けて
車道も歩道もいつもと変わらない
それでも隅に残りつづけるのは
未練がましい薄汚れた塊で
今さら避けて歩くのも面倒になって飛び越える
 
ところどころに残るのが悲しいから
最初から降らせないでほしい
消えるなら一瞬で消えて
残るならいつまでも残って
そんな願いは叶うこともないけれど
また降り出しそう 寒さがやってくる



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