「走る夢」
 
古ぼけたミゼットが通り過ぎていく
ものめずらしい黄色の車体は
楽しそうに坂を下っていく
 
まだ新しいヴィッツが通り過ぎていく
人の目をひくピンクの車体は
忙しそうに彼方へ行く
 
光るようなストリームが通り過ぎていく
景色に溶け込む滑らかな車体は
颯爽と渋滞に突き進んでいく
 
三者三様それぞれの
意思や未来は違うけれど
今目の前を通り過ぎて
誰かを乗せて何かを載せて
目的地に向かうのは違いない
 
誰にだって夢があるように
車にだって走りたい道がある
走らせたい夢がある



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