「回顧」
 
こうだと思っていたことがそうではなくなって
頼っていたことが完全に崩れ去った今
新しい価値基準も見えないまま
価値そのものの意義を疑うことになり
そもそもこうだと思っていたそれは
それでよかったのだろうか
何かに無心に頼っていられた時は
あまりにもおめでたい状態だったといえる
笑うことも泣くことも忘れただ
目標だけを見つめて生きるのは
今となってはもう過去の遺産で
そこには誰も存在していなかったように
冷たく古い基準が眠るだけ
振り返っても懐かしんでも



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