「冬と春」
 
桜が咲くみたいなしあわせは
とうに失くしてしまっていて
あこがれたとしても
もう手には入らないの
 
歪んだ目で見ているから
まっすぐには見えない
黙ったままだから
何も聞こえてこない
それでいいと思っていた
だけど
 
冬の夕方は静かすぎて
日が落ちたらただ水色で
それが深く染まっていくのを
受け入れるしかない
どんなに寒くなっても



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