「一瞬の永遠」
 
折り重なるように
紡がれるように
細く長くつながっていく
哀しみ
 
最後の言葉と称して置き手紙
 
忘れたくないけれど
いずれ海の底に沈む
収束に向かう世界
 
手のひらに一粒の涙
拭う手のひらに一粒の涙
 
嘘をつかないことで潔白を
証明するために嘘をついて
 
前後不覚のまま倒れこむ
 
息が絶える前に
存在の跡を残して
消えるまで
 
瞼が落ちる前に
思い出すべきことを置いて
眠りにつく



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