「降り続く雨に思う」
 
雨は降り続く雨は降り続く
我を透かす太陽はとうになく
見つけるまでもなくすでに失ったもの
わからなかったのは自分の心だけ
それも今では意味のないこと
 
雨が降り続く雨が降り続く
喜びも悲しみも洗い流して
たどり着くのが海ならば
いつまでもただよってふやけて
きれいな魚の餌になりたい
 
それでも留まりつづける意思
もううんざりだから
雨よどうかそれも流していって
跡形もなく流していって
それが最後の願いかもしれない
 
まだ思うことはできるみたいだ
願いなんて言葉が口をついてくる
そもそも口なんてものがあったのか
そんなことまで思い出させる夕暮れは
すばらしくすばらしい朝焼けに似た緋色
 
雨は降り続く雨が降り続く
次第に強くなっていく音が飛び込んで
離れないとしがみつくから
僕はもういい加減嫌になって
そこにあった包丁で両耳を切り落としたく
今手を振りかざす
 
全部雨のせいなんて言い切れるかい
悔しいが反論なんて持ち合わせていないから
そのときはこの命をくれてやる
あぁ僕は僕は雨のせいで
こんな思考に躓いてしまうんだいつも



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