「青い海」
 
青い海にこれまでを浮かべて
流れていく先をずっと見ている
気持ちも思いも今は波の上
どこまでも漂う
 
いつからこんな
さびしいわたし
 
何を失ってもいいと思った
そして何もかも失った
やっぱり失えないと思った
そして残っているものに気がついた
それでもここにあるものに
 
涙で揺れる水面
じっと見ていれば
円を描くことを
際限なく繰り返して
どこかへ行く
どこへも行かない
 
太陽を映す夏の海も
寒風が過ぎ行く冬の海も
いつもそこにある
深い群青を内に湛えて
 
思いを重ねるのは
各人の自由
それとは関係なしに
広がる海に
知る由もない
彼方の心を
探す



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