「綿雲」
 
わたぐも
きらり
ひかる
 
わたぐも
ゆらり
ゆれる
 
どこへでも
行けるから
くもはいいな
自由で
 
そんなふうに
思っていた
 
わたぐも
ぽっかり
うかぶ
 
わたぐも
ひらり
ながれる
 
ほんとうは
見えない力で
この地に
ひかれている
 
ほんとうは
あてもなく
流されて
姿を変えている
 
そんなことに
気がついた
 
 
どこへ行っても
変わらないなら
今いるこの場所で
地をつかむ
 
どこへ行っても
変わらないから
この場所で
空を想う



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