| 「片付かない部屋」 | 
| 片付かない部屋を眺めていらないものを見つけ出す | 
| 案外大事に取っておいてあるものほどいらなかったりする | 
| いつかのためにいつか役に立つだろうと置いてあるもの | 
| 思い切って捨てたらこの部屋はもっと広くなるだろうに | 
| 思い切れなくてそのまま置いてしまうからいつまでもこのまま | 
| たとえばそんなふうにこの心の中も整理できたら | 
| もう少し楽にいられるような気がずっとしている | 
| だけどそんなふうにこの心の中は整理できないから | 
| いつまでも重いままふさがったままになってしまっている | 
| 思い出なんかなくなってきっと生きていられる | 
| 今生きるだけで精一杯で過去なんて振り返っていられないから | 
| 捨ててしまえばそれまででもしかしたら何も変わらないかも | 
| 思い出すこともきっともうないだろうとは思うけれど | 
| それでもどうしても捨てられないから胸の片隅に追いやる | 
| だからいつまでもこのままになってしまっている | 
| たとえば服を着替えるように心の中も変えられるのなら | 
| もっと明るい気持ちで空を見上げることもできるのに | 
| まぶしい太陽をさえぎる帽子のつばをぐっと下げてしまうから | 
| いつも耐えるように胸を痛めつづけなくてはならない | 
| 捨てようと思い切ることができるならもっと楽にいられるのに | 
| 簡単なようでいて難しい心の整理はいつも先延ばしになってしまう |