「運命の手のひら」
 
隠していることが美徳とも思えぬが
おおっぴらに云うこともうつくしくはないだろう
何が正しくて何が間違いかは
その心如何
 
貴方がそうだと思えば
そういうふうになるだろう
あなたがそうではないと思えば
そういうふうになるだろう
 
運命の手のひらの上
転げ回るだけが能ではない
たまにはその手を抜け出して
荒波にもまれるのもまた一考
 
ゆえに人は流されて
理由を見つけて安心するけれど
冒険をおこたることさえ正当化するなら
征伐されるも容赦なかろう
 
運命の手のひらなど
真実はないのだから



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