「うつろな空」
 
さえぎるものが何もない
窓から見えるうつろな空は
泣きそうになって必死に
こらえる心を映す鏡のようで
歩くこともせずただ見上げる
天井がこの世界のすべて
時もなければ希望も見えない
通り過ぎる人が振り返る
いつものように声を上げても
いつものことと一笑に付されてしまう
蛍光灯一本が照らす自分だけが
どこへも行かず立ち止まったまま
その窓を開けることすらできない
未来の扉に手は届かないから



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