「夕立のあと」
 
夕立は夢のように過ぎていった
洗い流された街は赤く
涼しい風が残されただけ
 
ゆるやかな坂を上っていく
すれ違う人は足早に
地下鉄の駅へ急ぐ
信号を渡って振り向いたら
長く伸びている影がある
 
また人混みに紛れて
見失いそうになるけれど
さらわれた心を取り戻し
開かれた門をくぐっていく



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