「さっき君のこと」
 
薄水に重なるように灰雲
折りたたんで胸にしまう
今日一日もいつもと変わりなく
ゆっくりと暗くなっていく
 
さっき君のこと思い出した
久しぶりに顔まで浮かんだ
 
これからどうしていこう
何も変わらない日常を
何より望んでいた頃もあったけど
 
ある形を持つ雲は常に姿を変えて
 
どの曲を聴いても切ない中毒
忘れられるわけもない
 
雨も降らない真夜中の秘密の交信
誰にも邪魔されない時間があった
 
確かなことは言えないけれど
君の言葉を信じたときの私は
しあわせをつかんでいたことを覚えている
 
今はどう
この手のひらにはかけらもなく
闇に紛れるような
宵の中にいる



戻る