「水面」
 
水面に広がる波紋
目線で追いかけて彼方まで見やる
あの橋まで歩いて引き返そう
自分で決めたことだから
 
待つことに慣れすぎて
感覚まで失った
楽になれたけれど
痛さはもう感じられない
痛みはもうない
 
これからは
どんなことがあっても大丈夫
いくら傷つけられても
いくら傷つけても
心が痛むことはないから
 
残酷かもしれないね
でもこんなふうになれたのは
こんなに長い時間
待っていたからなんだよ
 
こんなに長い時間
水面が静まるのを待っていた



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