「あの濡れ縁にて」
 
思い出そうとしている
思い出さなくてはいけない
あの時を
 
それは昼下がり
あたたかい陽気に包まれた
春の濡れ縁
私はそこに座って
何をしていただろう
 
思い出せない欠片たち
思い出そうとする私たち
 
それは夕暮れ時
静かに暗くなる空を見やる
秋の濡れ縁
私はそこに座って
何をしていたのかな
 
思い出せない記憶
思い出したい私たち
 
いつか見た
いつか聞いた
それはいつも
あの濡れ縁にて



戻る