「りんご」
 
単語の切れ端から世界が見えた
大げさかもしれないけれど
一瞬でも見えたんだ
それだけで満足
 
普段の生活からは知り得ないなら
そこから飛び出せばいい
勇気を持てば
何だってできる
言葉のあやなんかじゃなく
 
真剣に考えれば考えるほど
思考は文字に置き換えられていき
抽象的になっていくから
本質からは遠ざかる
 
その感触を
覚えていたいから
 
いつか見た赤いりんご
ゆっくりと地に向かって落ちる



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