「少しだけくやしい」
 
私はそれほどの強い思いがないことを知った
いやというほど思い知らされた
それは罪か
誰も泣かなくてはいけないのか
それは裏切りか
誰も失う悲しみを知らなければならないのか
 
少なくとも
彼ほど
思う気持ちはない
彼にはかなわないだろう
 
いつでも当たり前のように
手のひらに出してながめられるような
そんな愛しい存在ではなかった
今ではそうだと思う
 
彼ほどの思いを
持てない自分が
少しだけくやしい



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